A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画
いくら救っても苦しむ人々がいることを悲しみ、観音菩薩の右眼から零れた涙から生まれたとされるホワイトターラ菩薩（多羅菩薩）。
包容力のある慈しみの心で衆生の苦しみを見つめており、 両眼の他、額に１つ、掌（てのひら）にもそれぞれ１つ、足の裏にも１つずつ合計七つの眼を持つ。
この世のあらゆる苦しみを見つける能力のあることを表している。

チベット仏教では多くの人々から信仰を集めている菩薩で、無病息災・延命長寿など息災関係に効果をもたらすと言われる。

本図はチベット仏教様式（タンカ）で描かれたものである。
向かって右上には鳳凰、左上には龍が配される。

ターラ菩薩は逆縁を除き、智慧を増上させる面において不共なる能力を有す。
全知ミパム・リンポチェ曰く、男性本尊では、文殊菩薩の加持が最速であり、女性本尊では、ターラと具光仏母の加持が最も迅速である。
経典にも、ターラ菩薩への祈祷は、八難及び十六難などの災難を除くと説かれている。
チベットでは、身体の不調や占いに現れた逆縁など、通常は僧侶に「ターラ賛嘆文」の読経を頼む。

私個人の経験では、ターラ菩薩の加持は確実に不可思議である。
ですから、今後私たちは自分そして他者の逆縁を除くため、真心をこめターラ菩薩に祈祷し、「ターラ賛嘆文」を唱える時間がなければ、ターラ菩薩

の真言「オン・タレ・トゥ・タレ・トゥレ・ソーハ」を唱えてください。
自らの信仰心があれば、ターラ菩薩の強力な加持によって、一切の逆縁全てを除くことができる。
―　ケンポ・ソダジ　『チベット仏教における浄土の教え』