A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画
金剛鈎菩薩は三鈷鈎で表される。金剛の鈎には一切の諸尊を曼荼羅に引き入れる意味と、一切の衆生を救い取るとの両義があり、これら役割を担った金剛鈎菩薩を三鈷鈎は象徴している。

金剛索菩薩は頭部に独鈷杵をつけた索で表されている。索とは羂索ともいい、縄のことである。すべての衆生を平等に曼荼羅に引き入れるという役割を担った金剛索菩薩をこの索は象徴している。

金剛鎖菩薩は中央に環のついた三鈷杵（両端に三鈷杵のついた鎖）で表されている。衆生を菩提につなぎとめ、また同時に煩悩を打ち砕いた一切の如来たちを衆生利益のために娑婆世界に留める役割を担った金剛鎖菩薩をこの鎖は象徴している。

金剛鈴菩薩は五鈷鈴で表される、鈴の音は一切に行き渡るが、これは入我我入（修行者と仏が一体となること）を表している。

以上四尊を四摂菩薩と呼び、衆生を鈎で引き寄せ、索で導入し、鎖でとどめ、鈴で完全に曼荼羅に編入せしめるという役割を段階的にを示している。