A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画
白衣観音は三十三観音の一尊。
観音の中でも女性的なイメージで、母親の我が子に対する「無条件の愛」のように「無限のやさしさ」を表現している。
息災情病・救児・安産などの加護を持つ。

本図の白衣観音は、白蓮華に坐し、右手に般若経経巻を持ち、左手に羂索を持つ姿で描かれている。
持物として般若経を持つのは、白衣観音が諸仏を生み出す仏であるとされる事と、大乗仏教における「般若の智慧は諸仏を生み出す仏母である」という観念が関係しているようである。
左手の羂索は、大悲の縄を表し、煩悩の中で苦しみ生きる衆生をこの縄で捕らえ、必ず救い出すという意味を持つ。

水墨画の題材として好まれた白衣を頭から被る図像に比べ、本図は密教的意味合いの強い図像といえる。