A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画サンスクリット語では「ダーキニー」。元来は人間を食らう夜叉神であったが、大黒天に姿を変えた大日如来によって改心させられた。
日本に入ると、狐神信仰と結び付けられ、狐を眷族とする稲荷神として、庶民の信仰の対象になった。商売繁盛など、福徳の神として親しまれている。荼吉尼天は一般的に、左手に如意宝珠または火焔宝珠を載せ、右手に剣をもち、白狐にまたがって空中を疾駆している天女の姿で描かれる。本図は豊川神社(愛知県)で祀られている荼吉尼天を参考にしたため、剣の代わりに稲穂を担いでいるのが特徴である。端正な容姿をした、大変美しい尊像である。