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A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画
明星天子とは、大白星すなわち金星のことで、
日天(にってん)（太陽）・月天(がってん)（月）・明星天(みょうじょうてん)（星）からなる三光天子の一人である。

『法華経』においては、帝釈天の眷属である宝光(ほうこう)天子・名月(みょうがつ)天子と共に普香(ふこう)天子として現れ、法華経行者を救済する誓いを立てたとされる。
明星天子は修験道との関係も深く、虚空蔵菩薩の化身とされる。
その尊様は一定していないが、一面四臂で龍に乗る姿や、唐冠法衣で座す姿などで表される。
印相は施無畏印、持物は宝珠や鍵、法輪などがある。頭部は仏面の場合と菩薩様の場合とがあるようだ。

明星天子の起源はインドの金星アルナとされる。
この神は男性神であるが、仏教に取り入れられ、伝来する過程で中国の道教における金星の図様と交わり、女性形で表されるようにもなった。
密教の星曼荼羅の中にも、琵琶を持つ女性形で表された金星の姿が窺える。

本図では、『諸尊図像』の明星天子像を基本にして、虚空蔵菩薩の化身であることを念頭に置き、持物などを加筆修正し完成図とした。