A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画香象菩薩は鉢器を載せた蓮華を両手で持つ。この鉢器は塗香の器である。塗香は体に塗ると熱を奪い清々しい気分を得られる。厳しい戒律も守ることによって心の清涼が得られることを意味している。また、尊名の象については、発情期の象のこめかみから放たれる妙なる芳香を意味しているという。
大精進菩薩は独鈷戟を載せた蓮華を両手で持つ。衆生の苦しみを鎮める菩薩で、一切の煩悩を脱している。独鈷戟とは槍のことで、槍が物を貫通するのをもって精進の意味を表している。
金剛幢菩薩は如意宝珠を載せた蓮華を両手で持つ。この尊は虚空蔵菩薩のことで、毘慮遮那如来の福徳と智慧の二徳を満たした尊である。三瓣宝珠はこの尊の福徳の三昧を表している。
智幢菩薩は如意幢幡を載せた蓮華を両手持つ。如意幢幡とは、先端に如意宝珠をつけた旗のことで、いうならば軍旗である。戦場において軍旗は兵士の意気を鼓舞する役割を果たす。それと同じようにこの如意幢幡は衆生の救済と智慧の獲得を目指す仏教の旗印と言えるだろう。
以上四尊は賢劫千仏である。