A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画金剛嬉菩薩は三鈷杵を載せた蓮華を両手で持つ。この尊は女性が恋人に尽くすような喜びを生々しく尊形に表している。その喜びはそのまま阿しゅく如来の菩提辰が展開する喜びを示している。金剛喜菩薩から放たれる光明は遍く十方世界を照らし一切如来を供養し、凡夫の貪りに染まった世界を破り、円満安楽をもたらすとされている。
金剛鬘菩薩は左手で華鬘を載せた蓮華を持つ。この華鬘は宝生如来の福智の二徳を讃えたもので、金剛鬘菩薩から放たれる光明は遍く十方世界を照らし、一切如来を供養する。衆生の醜い形を除き-、仏の優れた体をもたらすという。
金剛歌菩薩は箜篌を載せた蓮華を両手でもつ。金剛歌菩薩は全ての如来に捧げる雲海のように広大な供養を誓った尊であり、大日如来が無量寿如来の説法の徳を讃えてこの菩薩を出生したとされ-る。箜篌は無量寿如来の説法の妙なる響きを象徴している。
金剛舞菩薩は宝珠を載せた蓮華を両手で持つ。女性が舞踊を見せて客人を持てなすように、この尊は喜びを踊りに託して示している。大日如来が不空成就如来の精進の徳を讃えてこの菩薩を出生したという。
本図の尊はすべて女尊である。