A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画文殊菩薩は梵篋を載せた蓮台を持つ。尽きることのない智慧を持った菩薩で、すべての衆生に満足を与えるという。篋はその智慧を意味している。
無尽意菩薩は右手に五色雲を載せた蓮台を持つ。この尊は辯積菩薩ともいい、弁舌に巧みである。五色の雲はその智慧を積み上げていることを表している。
金剛蔵菩薩は右手で宝珠を載せた蓮台を持つ。金剛蔵とは大智(仏の智慧)を備えている菩薩、もしくは大智の子という意味である。
普賢菩薩は右手に剣を持つ。普は遍在、賢とは祝福の意味で、「遍く祝福されたもの」と訳される。全てのときに全ての場所で全ての徳を備えている尊で、賢劫十六尊の功徳を総集した菩薩といえよう。
仁和寺本金剛界曼荼羅を参考にしている本図は上記のような尊容を採用したが、無尽意菩薩が梵篋を持ち、文殊菩薩が雲を持つ場合もある。