A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画 無量寿如来は阿弥陀定印を結んでいる。阿弥陀如来とも称され、毘慮遮那如来の妙観察智(すべての衆生の苦悩や疑惑をそれぞれに見抜き救済する智慧)の徳を司る。また尊名の無量寿とは「無限の寿命をもつもの」の意。無明の現世をあまねく照らす光の仏にして、空間と時間の制約を受けない仏であることを示す。
金剛法菩薩は右手で説法印を結んでいる。この尊は観音菩薩のことで、煩悩に汚れた凡夫の世界ではあるが、本性は蓮華のように清らかであると見抜き、言葉に言い表せない正しい教えを説法して衆生を救済するのでこの尊名が呼ばれる。微細会では蓮華が描かれていないが、本来は持っていたとも考えられる。
金剛利菩薩は右手で剣を持っている。この尊は文殊師利菩薩であり、文殊菩薩の持つ剣を象徴してこの尊名が呼ばれる。この剣は 般若波羅蜜多という仏の智慧を表し、この智慧が衆生の苦しみやその原因を断ち切るという。
金剛因菩薩は両手で法輪を持つ。尊名は金剛なる菩提の種(因)を具えた菩薩という意味。菩提樹の下の菩提道場( 仏道を修行する場所。特に釈迦が悟りを開いた場所)で悟りを開くやいなや、即座に立ち上がるという過程がこの尊によってイメージされている。
金剛語菩薩は右手で施無畏印を結ぶ。前述の金剛因菩薩が説法に立ち上がる仏陀の境界を表すのに続き、この尊はその説法の働きを表す。衆生の戯論の迷妄を打ち破る仏陀の説法の言葉がこの尊の体となっている。