A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画三昧耶会では賢劫千仏が省かれ、代わりに賢劫十六尊が法具の形で描かれている。慈氏菩薩・不空見菩薩・網明菩薩・月光菩薩はいずれも賢劫十六尊の一である。
慈氏菩薩は慈悲深き者という意で弥勒菩薩に同じである。三昧耶会で表されている軍持は水瓶のことで、智慧の水をもって法雨を注ぐことを示している。
不空見菩薩は十字独鈷杵で表されている。不空見とは決して見逃さないという意味で、仏眼を開いて普く衆生を観察する菩薩である。独鈷杵は一実不二、すなわち真如無差別を表すと共に万物を摧破する功徳があり、横独鈷杵は眼を模しており、仏の眼をもって衆生をつぶさに見、その煩悩を摧破することを表す。
除蓋障菩薩は梵筐で表され、地獄・餓鬼・畜生道に堕ちた衆生を救いあげる誓願を持った仏である。
除憂暗菩薩は木の枝で表され、これは無憂樹である。一切衆生の憂悩のと暗愚を除く徳を表す。無憂樹は「憂いが無い」という意味で、尊名とも一致する。その枝で煩悩を払うという。