A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画吉祥天(きちじょうてん)=功徳天ともいう
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サンスクリット語のシュリー・マハー・デヴィーの訳。インドの神。俗に「きっしょうてん」と読む。
(1)インド神話では、ラクシュミーともいわれるもので、ヴィシュヌ神すなわちナラエン天の妻で、愛欲神カーマの母であり、幸福を司る女神とされている。
(2)仏教では毘沙門天の妃また妹ともされ、善膩師童子を子に持つ。
鬼子母神を母とし、徳叉迦龍王を父とするとも言われる。また妹に黒闇天がいる。
仏教に取り入れられてからは、釈尊とともに過去世において修行し、人々を救うために福徳豊穣の神となってこの世に現れたものであるとし、この天女を供養すれば皆福徳が授けられるとする(金光明経)。
その形像は経軌によると種々あって一定しませんが、普通は顔容が美しく静寂な天女で、左手に如意宝珠を把(と)り、右手は施無畏(せむい)印なし、立像のものが多い。吉祥天の信仰は、これを礼拝するものは貧窮や全ての不祥事がなくなり、富貴財宝が得られ、幸福になれるといいます。
この図は薬師寺に伝わる日本最古の彩色画(国宝)を比較的忠実に描き起こしたものです。
お姿は光明皇后を写したと伝えられています。
薬師寺では、この吉祥天の前で年中の罪業を懺悔し、除災招福を祈る、いわゆる吉祥悔過(きちじょうけか)の本尊として祀られています。