A3サイズ和紙 モノクロ印刷 白描画
持世菩薩は梵名でヴァスンダラーと呼ばれ、持宝とも訳される。財宝を雨降らせ庫蔵を満たし、世間を安んじる菩薩であるとされる。『維摩経』にも登場する。
本図において、持世菩薩は蓮華座に結跏趺坐し、様々な宝飾品でその身を荘厳している。微笑をたたえ呪師を見ている。肉身は青黄色(または深緑色とも)で、右手には頗羅果(ヒンカラ/大石榴)を持ち、左手は施無畏印をなしている。
持世菩薩の下方には二人の龍王が七宝箱や宝瓶を捧げ、その傍には大勝天が呪師を招き寄せるような様子で描かれる。
上方には二人の天仙人と一人の天人が舞い、七宝を降らせ虚空を荘厳しており、蓮華座のすぐ左側には卒堵婆塔が描かれる。